ヴォルネイ(ヴォルネー)・サン・フランソワ[2003]年 ドメーヌ・ロブレ・モノ AOCヴォルネイVolnay Saint Francoisビックヴィンテージでビオロジック栽培。ワイナート25号でもカラー特集された人気ワイン!!ヴォルネイに本拠のあるドメーヌ。畑はヴォルネイとボマールに7ha。若く意欲的な造り手であるパスカルは、ドメーヌ・ルロワも実践する有機農法の1つ、「バイオダイナミックス」による栽培・醸造を行っています。自然体のビオロジック栽培と柔軟な発想が生み出す透明なピノの世界ワイナート25号よりセザンヌは晩年、水彩画に傾倒する。極少量の絵の具を含ませた無駄のない筆の動きによって形を与えられたその絵は、彼のみが到達しえた、透明な堅牢さと軽やかな構築力を示す。だがもうひとつ、セザンヌの水彩画の顕著な特徴とは、余白である。絵の具が置かれていない場所に息づく静かなエネルギー。図と対等な地位にある地。それは言うまでもなく、日本の書画の影響と言える。パスカル・ロブレのヴォルネイを飲むとセザンヌの水彩画を思い出す。熟考されつつ、戸惑いを見せない確実な筆致。すべてを埋めつくそうとしない、余裕ある余白の美。原色を塗り重ねた重苦しいワインのあとに接すれば、これこそピノ・ノワールでしか実現できない世界であると、改めて知る。パスカルは語る。「私が尊敬するジャド醸造家、ジャック・ラルディエールは『マチエールを探さなければマチエールを見つけられる』と私に言いました」。パスカルの解釈はこうだ。「マチエールを求めて抽出を強くすればワインは平面的になってしまいます。それに対し垂直性、つまりミネラリティの深さを求めれば、本当のマチエールが得られるということです」。だから彼は「ブドウの垂直性が象徴する天と地の関係をいかにワインに転換するか」を考え、セザンヌに通じるような「クリスタル的ピュアさを追求」する。そこで重要となるのは畑の力である。祖父の時代から除草剤を使用せず、「ピオがファッションになる前からピオだった」彼の畑は見るからに健康そうで土はふかふかと柔らかい。ヴォルネイの5つの1級を代表とする優れたテノワールと優れた土があるからこそ、このような軽い筆致で、かくも深く、ピノ・ノワールらしい上品さが表現されるのだ。彼の初ヴィンテージは1990年と、案外古いが、話題を集めるようになったのは昨年。アンリ・ジャイエのいとこを祖母にもつセシル・トロンブレーと結婚し彼女がジャイエ家等から引き継いだエシェゾー、ヴォーヌ・ロマネ・ボーモン、ニュイ・サン・ジョルジュ・ミュルジェ、シャペル・シャンベルタンといった錚々たる畑の8つのワインが、ラインナップの一角を占めるようになってからである。だが8つの畑は長年に渡って化学薬品を使用したため、ドメーヌ・セシル・トロンブレーの名で売られるこれらのワインは、パスカル自身の畑のものとは比較にならない。日本ではアンリ・ジャイエうんぬんという話ばかりが横行するが、それでは日本伝統の美意識にも通じるこのドメーヌのワインの本質を見失う。 年代造り手[2003]年パスカル・ロブレ生産国地域フランスブルゴーニュ (コート ド ボーヌ)村AOCヴォルネイ タイプ赤・辛口フルボディー内容量750ml